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年収400万円以下に照準、日清が所得2極化にらみ低価格麺開発へ「日本人は年収700万円以上と400万円以下に2極化する。700万円以上の消費者向けに高付加価値の健康志向ラーメンを、400万円以下の消費者向けに低価格商品を開発する」 日清食品の安藤宏基社長は2004年9月中間期の決算発表の場で、藪から棒にこう発言した。 食品に限らず日本で消費財メーカーのトップが、具体的に所得階層別の商品戦略を示したのは初めてだろう。業界の注目を集めるのは、その真意と、来秋にも発売すると見られる年収400万円以下向けの商品の値付けだ。看板商品である「カップヌードル」の店頭売価は通常150円。新商品は100〜130円を想定していると見られるが、もしカップヌードルより安価なカップ麺を本格投入することになれば、同社では約30年ぶりになる。 伊藤忠・丹羽会長の言葉が契機 「日本の消費者は米国のように所得によって2極化する。低所得層を無視しては、これからの日本企業は成り立ちませんよ」。安藤社長が低価格品の開発を考えるきっかけになったのは、実は社外取締役である丹羽宇一郎・伊藤忠商事会長のこんな一言だった。 所得格差の拡大を視野に、日清は競合相手だけでなく、チャネル政策を、より強く意識しているようにも受け取れる。日清は昨年以降、カップヌードルを常時100円以下で販売するドラッグストアなどの「安売り」には不快感を示してきた。ある即席麺メーカーの幹部は「日清の営業部隊には、『それならば安く売ってもいい商品を出してくれ』という小売店の声が多く寄せられていたはず。その声に抗えなかったのでは」と見る。そこから、当面「年収400万円以下」向け商品は、事実上、ディスカウンターに供給する商品になる、と類推することもできる。 看板ブランドとの両立課題 「味や飲用場面が確実に違うから、食い合いは少ない。最大でもビール市場の20%にとどまるだろう」。5年前、ビール各社は発泡酒に関してこんな予測をしていた。しかし今、発泡酒の比率は40%に近づき、業務用を除く家庭向けでビールを上回った。メーカーの想定外の飲用層が低価格を魅力に感じ、発泡酒に流れたのは事実だろう。
nikkeibp 日経BPより引用 |
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