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高額所得者になる早道は不動産、教育投資 米国のマネー獲得作戦

 米国は、能力や才覚のある者は誰でも高額所得者になれる「機会の国」といわれる。近年、貧富の差が拡大し、アメリカン・ドリームの実現の道が狭まっているといわれるが、それでも頂点の道を目指して知恵を絞れば、高額の収入を得る道は依然開かれている。米国人が高収入を得る方法として頭に描くものは、教育、不動産投資、それにアイディアを生かした起業などといわれる。米誌「マネー」が特集したサクセス・ストリーを紹介する。(ベリタ通信=江口惇)

 ベトナム人の両親とともに1978年に難民として移ったリサ・バン・デューセンさん(31)。入国時、両親は一文無しだった。父親は電気の組立工場の労働者、母親は針子として苦しい生計を支えた。「しばらくの間、米と醤油だけの生活でした」

 大学を卒業し、不動産ブローカーとして社会人生活を始めた。夫のトッドさんとともに、2000年にカリフォルニア州北部にあるコンド(マンション)を、初めて購入した。これがその後の資産倍増計画の出発点となった。コンドの価格は23万ドル。頭金は元金の11%に当たる2万5000ドルだった。数年後このコンドは、40万ドルに値上がりし、大きな利益を得た。

 売却で得た利益を使って、クレジット・カードの積み残し分を清算し、中古のレクサスを買っても、残り5万ドルが手元に残った。その資金を頭金に使って再びカリフォルニア州サンタバーバラのコンドを買った。1年以内にコンドの価格は、12万5000ドル値上がった。それを担保に銀行から融資を受け、再び、他の物件に投資した。こうした方法で資産を増やし、現在、家6件を所有し、ことし中に、ニューヨークでアパートを購入するまでになった。

 今や不動産所得額は500万ドル(約5億3000万円)に達している。「もともと5万ドルしか持っていなかった。銀行の資金を利用させてもらっている」とバン・デューセンさん。

 マネー誌の行なった世論調査の結果では、米国人が、高額所得者になる方法として考えているのは、(1)不動産投資(2)高学歴を身につける(3)遺産相続(4)金持ちと結婚する(5)起業家(6)株式投資――の順という。バン・デューセンさんは、文字通り不動産で利殖に成功した。

 メキシコ移民の鉄道労働者を父に持つアルツロ・ゴンザレスさん(44)。東部の名門私立ハーバード大学のロー・スクール(法科大学院)を卒業し、サンフランシスコで法律事務所を共同で開いている。ハーバードの場合、4年間の大学、それに3年間の大学院で学費は30万ドルかかる。ゴンザレスさんは、学資ローンでなんとか高額の学費を捻出した。

 ハーバードなど名門私大に子弟を送ることは、家族にとっては「教育投資」になるとよくいわれる。社会に出た時に、高額所得の就職が保証され、家族への見返りは十分にあるという意味だ。「1985年に法律事務所で働き始めた時、年間収入は3万8000ドル。鉄道労働者の父親の収入の2倍だった」と、ゴンザレスさん。現在、年間74万ドルを稼ぎ出している。

 ロージー・ハーマンさん(42)は、マニキュアのアイディア商品で、財をなした。7万5000ドルの借金を返済するために、自ら美容院で商品の売り込みをした。つれなく拒否されることも多かったが、くじけなかった。その甲斐あって、売り上げはわずか5年間で計2000万ドルに達したという。「歩き回り、人に試してもらうことで自ら需要を作り出した」とハーマンさんは、その成功の秘訣を語っている。


2005年05月20日00時03分

livedoor ニュースより引用

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